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田舎暮らしの本 3月号

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田舎暮らしの本 3月号

2月2日(金)
890円(税込)

© TAKARAJIMASHA,Inc. All Rights Reserved.

シシトウ・トウガラシの水やりは、乾いたらたっぷりがコツ/竹内孝功さんに教わる自然菜園のスゴ技【第11回】

掲載:2023年2月号

穫れば穫るほど多収穫に
完熟させてもおいしい

トウガラシには甘味種と辛味種とがあります。シシトウなどは辛味のない甘味種。実の大きくなるピーマンや、さらに大きくなるパプリカも甘味種の仲間です。原産は中南米で辛味として利用され、コロンブスが持ち帰ったヨーロッパで辛味の少ない品種ができたといわれます。暑さに強く、夏の最盛期には穫れば穫るほど実を付けます。株が大きくなると秋の低温にも耐え、甘味種は、完熟させるとパプリカ同様の甘酸っぱさも味わえます。

1 土づくり

①初めての菜園では畝を準備
 水はけのよい畑で育てる

 シシトウ・トウガラシは根が浅く、過湿を嫌うため、水はけのよい畑を選びます。長期間収穫するため、土づくりは大切です。初めて畑にする場合は苦土石灰をすき込んで土のpHを調整しておき、その後、完熟堆肥と水はけをよくするもみ殻燻炭、ゼオライトを施してください。

②野菜の育った畑なら定植1カ月前にネギクラツキ

 前作がよく育った畑なら、①の畝の準備は行わず、代わりにネギクラツキをします。定植1カ月前、苗を植える予定地に完熟堆肥を埋め、ネギを植えてください。完熟堆肥に集まる微生物などと、ネギから出る有機酸の働きで土が肥沃になって、シシトウ・トウガラシがよく育ち、長く収穫できます。病気の予防にもなります。

掘った穴に完熟堆肥を一握り入れ、土を加えて混ぜる

穴を埋め戻してネギを植え、ウマの鞍状に土を盛り上げる

2 準備

① 定植前に支柱を立てる

 シシトウ・トウガラシは枝が垂れ下がらないよう支柱に誘引するのがコツです。支柱は垂直に1本、根を傷めないよう定植の前に立てておきます。

苗を植えるネギクラツキの北側に、深さ20~30cmまで挿し込む。支柱のサイズは直径11mm×長さ150~180cm

②定植の前日に水やり
 3時間前から底面吸水

 苗には前日の夕方にたっぷり水やりし、定植3時間前からは、ポットの底をストチュウ水に浸して底面吸水させましょう。そのうえで定植後3日間は水やりせずにおくと根がよく伸びます。

※雨水に似た野菜の栄養ドリンク。酢・木酢液・焼酎を1:1:1で混ぜたストチュウ原液をペットボトルにつくり置き、300倍以上に薄めて使う。7Lのジョウロの水には、ペットボトルキャップ(約7mL )3杯の原液を混ぜる。

深さ3cmほどのストチュウ水に、苗のポットを浸す

3 定植

遅霜の季節が過ぎてから
ネギクラツキに植え付ける

 苗は霜に弱いので、定植は遅霜の時期が過ぎ、最低気温15℃以上(地温10℃以上)になってからです。ナス科のなかでも最も高温を好みます。定植は夏の果菜類で最も遅くてよく、早植えにメリットはありません。

 ネギクラツキを準備した場所に植え穴を掘り、抜いたネギを苗の根鉢に沿わせて植え付けます。

定植は支柱の南側、根鉢の上面を地面と同じ高さに。掘った土を隙間に戻し、しっかりと鎮圧。根鉢と土を密着させる

4 お世話

①生育初期は株元を空けて地温を上げ
 盛夏は全面草マルチで乾燥防止

 定植後は草に負けないよう、シシトウ・トウガラシの葉先から15cm圏の草は地際から刈り、株元に敷きます。高温を好むので、株のすぐ下は草を敷かずに土に日を当て、地温を上げてください。

 その後、梅雨明け前には、夏の乾燥に備えて株元も含めて畝全面を草マルチで覆います。

生育初期は株元を空けて草マルチ

梅雨明け前に草マルチを畝全面に敷き詰める

②一番花が咲いたらわき芽欠き

 一番花が咲いたら、花のすぐ下の強いわき芽を残し、それより下のわき芽はすべて欠き取ります。同時に茎を支柱に誘引してください。

葉の付け根から出るわき芽を手で欠き取る。茎は麻ひもなどで支柱に誘引

③伸びた枝をまとめて縛る
 垂直自然仕立てで生育促進

 一番花より上に出るわき芽は欠かずに放任します。枝が伸びたら全体をまとめて縛り、枝が万歳するように支柱に誘引してください。この「垂直自然仕立て」で、枝を上に向けると植物ホルモンの流れがよくなり、生育が進みます。

枝が生長したら、まとめて支柱に縛っていく

5 補い

1週間雨がなければ夕方水やり

 1週間雨がなければ、日中を避けて夕方、ストチュウ水でたっぷり水やりしてください。Caストチュウ水を用いればさらに効果的です。

 水やりで実が甘く育ちますが、毎日こまめにすると根腐れすることがあるので注意。乾いたらたっぷりがコツです。また、受粉不良につながるため、花には水をかけないようにします。

水やりの量の目安は、3株に対してバケツ1杯分(10L)×3回

6 収穫

①最初の実は親指大以下で穫る

 最初に付いた実は親指大までに穫ります。実を大きくすると養分が実に向かってしまい、茎葉が充分に育ちません。

一番果は親指大以下で切り取る

②なり始めの2~3週間はミニシシトウで収穫

 最初の実を付けてから2~3週間はミニシシトウサイズで収穫します。こうして樹をしっかりと育てることが最大のポイント。霜が降りるまで長く実を付けます。

5cmほどの大きさで穫る

③最盛期は実を大きくしすぎず
 穫れば穫るほど実を付ける

 最初の開花から1カ月ほどで本格的な収穫時期を迎えます。実の短いシシトウなどは5~7cm、長果と呼ばれる甘長トウガラシなどは10~15cmのサイズで収穫してください。実を大きくせずにどんどん穫ると、樹の負担が減り、次々に実を付けます。

ハサミを使って次々に収穫

④辛味種は収穫後に干して保存

 辛味種は、実が若く青いうちから辛味を利用できるもの、赤く完熟して辛味を増すもの、完熟すると甘味の出るものなど、品種ごとに特徴があります。

 若穫りするものは、料理に使うほか、醤油やオリーブオイルに漬けるなどして楽しめます。

 赤くなった実を収穫し、保存する場合は、穫った実をネットなどに入れるか、一斉収穫なら株元で刈り、いずれも1カ月ほど、しっかりと干します。それでもカビやすいので、長期保存するには冷蔵庫に入れるか、脱酸素剤とともに密閉してください。

株元で刈ったら、枝葉を付けたまま乾燥させる

 

監修/竹内孝功

たけうち・あつのり1977年生まれ。長野県を拠点に菜園教室「自然菜園スクール」などを開催。著書に『自然菜園で育てる健康野菜ゼロから始める無農薬栽培』『完全版 自給自足の自然菜園12カ月野菜・米・卵のある暮らしのつくり方』(宝島社)、最新刊『苗で決まる!自然菜園』(農文協)ほか多数。

WEBサイト「@自給自足Life」https://39zzlife.jimdofree.com/

 

文・写真/新田穂高 イラスト/関上絵美・晴香

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