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田舎暮らしの本 5月号

最新号のご案内

田舎暮らしの本 5月号

3月1日(金)
890円(税込)

© TAKARAJIMASHA,Inc. All Rights Reserved.

起業するなら東京より地元! 「白いキャンバス」に夢を描く【福岡県古賀市】

東京で働きながら起業の準備を進めた松見さん。「独立したい」という夢をかなえるために古賀市へUターンした。海辺のカフェで仕事したり、散策やBBQでリフレッシュしたりと、仕事と休みをフレキシブルに楽しみ、次のチャレンジへ向かう。

掲載:2023年3月号

福岡県古賀市(こがし)
九州北部に位置し、東には緑豊かな山々、西には白砂青松の美しい海岸線が広がる。福岡市に隣接し、交通アクセスがよく、生活環境も整っている。「都市景観賞」を設置し、自然や歴史的な建物などと調和した街並みづくりに力を入れる。博多の奥座敷「薬王寺温泉」や、巨木が多いまちとしても知られる。博多駅から古賀駅まで電車で約20分。(写真©福岡県観光連盟)

 

好きな場所・時間で、好きな仕事をする働き方

仕事をする松見さんと山田さん。打ち合わせから動画撮影、編集、ライティングまで、1社1社にていねいに対応している。
株式会社ネスピア(福岡) | YouTube制作・地方PR動画 (nexpia.jp)

「独立して仕事をしたいと考えたときに、東京より故郷である福岡県がいいと思ったのが、Uターンのきっかけです」

 そう話すのは、2018年に福岡県古賀市に戻り、起業した松見達也(まつみたつや)さん(36歳)。松見さんは、福岡で育ち、就職を機に上京し、東京の企業で7年間働いた。

「会社に勤めているときから独立を考えていました。副業のブログやサイトのアフィリエイトが順調だったので、UターンしてWebマーケティング事業とWebで『古賀マガジン』を立ち上げました」

 こうした仕事は好きな場所でできるのがメリット。松見さんも、一時期はマレーシアでノマドワーカーをしていて、パートナーの山田五香(やまだいつか)さん(34歳)と出会った。残念ながらコロナ禍で帰国せざるを得ず、2020年に山田さんと一緒に古賀市に。

 帰国して本格的に始めたのが、法人向けYouTubeのマーケティング支援だ。当初は松見さんと山田さんの2人で手探りで始めたものの、あるとき工務店からの依頼で制作した動画がバズり、軌道に乗る。

 現在、松見さんが立ち上げた㈱ネスピアは、古賀市のインキュベーション施設「快生館」に本店を置き、隣の福津市(ふくつし)にもオフィスを構える。松見さんと山田さんを含めたスタッフ6名で、10社ほどの顧客に対応している。

「やりたいことをやって生きていける若者が増えるといいな、個人の夢と組織のビジョンがともにかなう社会を実現したい、と考え会社を設立しました。夢を持って生き生きと働き、それが会社の利益につながる。社会全体がそうなるといいですが、まずは自分がステップアップしていきたい。そして古賀市から変えていければ」

㈱ネスピアが入居しているインキュベーション施設「快生館」で。左から、松見さん、山田さん、㈱ネスピアのスタッフ、「快生館」の管理会社「SALT」の2人。

薬王寺温泉にある温泉宿「快生館」を、インキュベーション施設に。コワーキングスペースやスモールオフィスなどがある。快生館 (kaiseikan.info)

「快生館」には、天然温泉の大浴場もあり、温泉付きワーケーションも楽しめる。

 好きな場所、好きな時間に、好きな仕事をする、それが会社での働き方だ。松見さんも、「週7日働いていますが、1日のなかでワークタイムとホリタイム(自由時間)をつくっています。仕事していて、気分転換したいときは場所を変えたり、どこかでリフレッシュしたり。ここは海も山も温泉もすぐ近くにありますから」

 古賀駅西口のまちづくりにもかかわっている松見さんに、古賀市のよさを聞いた。「いい意味で変わっていない場所。白いキャンバスのようでやりたいことができる」とのこと。一方で、ずっとこもっていると刺激になるものが少なく、スキルが上がりにくくなると感じるという。

「定期的に博多へ行ったり、いろいろな人に会ったりしています。やっと海外に行けるようになったので、海外での1週間のビジネス合宿に参加します」

 好きな仕事を好きな場所でする。松見さんのような働き方が増え、社会そのものが変わってきているのだろう。

「快生館」から徒歩1分の温泉宿「鬼王荘」は、松見さんと山田さんがよく食事に利用する。女将さん(写真左)と談笑。鬼王荘 (amebaownd.com)

古賀駅西口エリアの活性化プロジェクトにもかかわっている松見さん。拠点となる「まちの企画室」と、後ろは活性化中の商店街。

よくリフレッシュしに行くという古賀海岸。「マツ林から見える砂浜と海と、マツの間から差す光の感じが好きですね。東京に比べて山も海も近いのがいいです」と松見さん。

 

松見さんにお聞きしました!

Q脱東京してよかったこと
 生きがいが感じられることですね。東京は人口も多く市場規模も大きいため、個人がピースの1つとして埋もれがちです。また地方は、人と人との距離が近く、キーマンとなる人につながりやすいのもメリットだと思います。古賀市へUターンして、人や地域の絆がこんなにいいものだったのかと実感しています。

Q東京時代と比べて大きく変わったこと
 僕の脱東京と起業が同時だったこともあるのですが、働き方が変わりました。起業したことで、どんな仕事をするのか、働く場所や時間も自分に決定権がある。自分でかじを取れるようになって、ストレスが軽減しました。

 

古賀市移住支援情報
博多まで鹿児島本線で約20分! アクセス良好。子がいちばんのまち!

 交通手段が充実していて、通勤・通学、休日のおでかけもしやすく、住みやすい古賀市。地元の農産物や、お得な食品工場直売所、おしゃれな店など「食」に関する魅力が多くある。市では「チルドレンファースト」を掲げ、出産前から子どもの自立まで切れ目のない支援を推進。また市役所内に無料職業紹介所を設置し、就業支援も手厚い。移住支援金あり。

問い合わせ:古賀市経営戦略課 ☎︎092-942-1113 
はじめようつづけようこが生活|古賀市オフィシャルページ (city.koga.fukuoka.jp)

家族みんなで遊べる自然と健康の「古賀グリーンパーク」。

福岡のブランドイチゴ「あまおう」の観光イチゴ狩りも楽しめる。

「遊んでよし! 観てよし! ぜひ古賀市に来てください」(古賀市長の田辺一城さん〈左〉、経営戦略課の丸井 泉さん)

 

文/水野昌美 写真/樋渡新一

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