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田舎暮らしの本 7月号

最新号のご案内

田舎暮らしの本 7月号

6月3日(月)
890円(税込)

© TAKARAJIMASHA,Inc. All Rights Reserved.

子育て環境抜群の理想の農村。有機農業で自給+産直も【兵庫県神戸市】

神戸市北区にある自然に囲まれた景観の美しい大沢町(おおぞうちょう)で有機農業を始め、子育てをしながら自給的な暮らしを実践している石田さん。農村で栽培した野菜などの恵みをシェアしたいと産直販売サイトを運営し、家族とともに地域の資源を循環させる農業を目指す。

掲載:2022年12月号

石田綾子さん/1980年、静岡県藤枝市生まれ。大阪府豊中市で有機農産物を流通する会社で勤務したのち、出産を機に退職。農村での暮らしを求めて、2017年に神戸市北区の大沢町に移り住む。自宅に隣接した農地で、年間約60種の有機野菜と米を栽培し、7羽のニワトリを飼育。「さとのくらしfarm」として野菜をWebサイトで販売し、定期的に農村に訪れてもらう「open farm」を開催する。小学1年と3年の子どもを持つ4人家族。
写真は、畑でナスを収穫する様子。収穫時期が違う数種類のナスが植えられ、周囲にはコンパニオンプランツのマリーゴールドの花が咲いていた。

有機農業で自給的栽培から、恵みをシェアするまでに

 自分が食べるものは自分でつくりたい――。そんな思いがあって、今の暮らしに行き着きました。神戸市北区の大沢町に移住したのは5年前のこと。前職では、大阪で有機農産物を流通させる仕事をしていて、夫は今もその会社で働いています。

 農家を身近に感じる仕事だったので、子どもが生まれたとき、農村で育てたいと思いました。理想は、家の近くに田畑があり、子育て環境に適したところ。夫の職場である大阪に通える範囲で希望の暮らしができる場所を探し、大沢町に出合いました。

 これまで、いろいろな農村を見てきましたが、いい景色だなと思って横を見たら工場があったり、住宅街があったり、あぜ草の管理ができていない集落など、気になるところがありました。大沢町は開発されずに豊かな自然が残り、村の人が草刈りをしてきれいな景観を維持していたので、直感的にここにしようと思いました。

 住みたい集落を決め、それから家探し。地域行事などに参加しながら、2年くらいかけて、この家を紹介してもらいました。家は半分倒壊しているような状態でしたが、約5000㎡もの敷地に農地もあって、周りには家もない。車があればすぐに町に出られるので、子どもをスイミングに通わせてあげることもでき、不便さは感じません。2人の子どもが通う小学校は1学年十数人。児童が少ない分、学童クラブなども充実していて、仕事をしていても安心して子どもを預けられます。

 家と一緒に農地を引き継いだので、移住とともに自給的な暮らしがスタートしました。初めからいろんな有機野菜をつくりたいと思っていて、最初は出荷するまでは考えていませんでした。有機農業の教室にも通い、少量多品目で一般的な野菜を育てていくうちに、家族4人では食べきれないほどの収穫量になりました。そこで恵みをシェアするというかたちで、3年ほど前から始めたのが「さとのくらしfarm」。自給的に暮らす家族がつくっている野菜を、私たちが食べるタイミングで収穫してそのまま箱に入れてお届けしますというコンセプトで、自社のWebサイトで野菜を販売しています。

稲刈りを終えて稲木干(いなきぼ)しした田んぼ。昨年は4人家族で約5カ月食べられる量が収穫できた。左奥に見えるのが自宅。

出荷している野菜セット。年間約60種の野菜をつくり、そのときに穫れるものを箱に詰めて届けている。
「さとのくらしfarm」https://satonokurashi.com

タケや牛ふんを土づくりに活用。地域にあるものを循環して暮らす

 私はカエルやトンボなどの虫が好きなのですが、有機農業をすると生き物が増えるんです。たった3年でも実感できるほど。フクロウもイノシシもいます。小さな生き物が増えると環境が豊かになります。きれいな農村の風景は、誰かが草を刈り、農業を営んでいるからこその美しい景色です。ほったらかしにしていたら森にしかなりません。

 神戸市内には町と農村という2つの世界があり、ローカルな取り組みとして、今夏から町の人に定期的に農村に遊びに来てもらう「open farm」を開催しています。農業の日常を知ってもらい、生き物を観察したりして楽しんでもらいます。今後、同様の取り組みをする農家が増えたらいいなと思います。

 目指しているのは地域の資源を循環させていくこと。竹林のタケを切って炭にして土づくりに利用し、稲刈り後のわらは畑に敷きます。近所で乳牛を飼育している人がいるので、牛ふんをいただいて土づくりに。昔は、地域にあるもので暮らしが成り立っていました。私たちはそういう暮らしを選び、地域の人たちに溶け込み、地域の自然を循環させて暮らしていきたいと思っています。

チキントラクターという移動式ケージで「烏骨鶏」と「岡崎おうはん」の2種のニワトリを飼育。移動させながら草や雑草の種などを食べさせ、ふんはそのまま肥料として耕す。

毎月第4日曜日に開催している「open farm」では農家の暮らしを体験できる。町と農村をつなぐローカルな取り組み。(写真提供/石田綾子さん)

夫の篤(あつし)さんとともに自宅でくつろぐ。家の中には土間があり、手づくりの梅干しや味噌などを保管している。薪ストーブの薪づくりは篤さんが担当。

 

【兵庫県神戸市(ひょうごけんこうべし)
兵庫県南部に位置する人口約151万人の都市。海と山が近く、大都市の便利さと六甲山系の豊かな自然が魅力。北部には農村地帯が広がり、里山暮らしが楽しめる。大阪空港や神戸空港から電車で各20分ほど。

 

神戸市移住支援情報
神戸で田舎暮らし⁉ 都市部から30分圏内に里山地域あり

 神戸市には、海と山に囲まれた大都市でありながら、都市部から30分圏内とアクセスに優れた場所に里山地域がある。里山で暮らしながら神戸の街が気軽に楽しめ、都市部で働き里山地域で暮らす人も多い。実際に神戸の里山を体験できる「お試し移住」施設も人気だ。また移住相談には、専門の相談員「こうべぐらしコンシェルジュ」がきめ細かに対応。
問い合わせ/こうべぐらし ☎︎078-322-5183

神戸の暮らし情報サイト「こうべぐらし」では、都市部や里山での暮らし、支援情報も掲載。

都市部が通勤圏の里山で田舎暮らしが楽しめる。

 

文/田中泰子 写真/木下清隆 

 

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