東京で働きながら起業の準備を進めた松見さん。「独立したい」という夢をかなえるために古賀市へUターンした。海辺のカフェで仕事したり、散策やBBQでリフレッシュしたりと、仕事と休みをフレキシブルに楽しみ、次のチャレンジへ向かう。
掲載:2023年3月号
好きな場所・時間で、好きな仕事をする働き方
「独立して仕事をしたいと考えたときに、東京より故郷である福岡県がいいと思ったのが、Uターンのきっかけです」
そう話すのは、2018年に福岡県古賀市に戻り、起業した松見達也(まつみたつや)さん(36歳)。松見さんは、福岡で育ち、就職を機に上京し、東京の企業で7年間働いた。
「会社に勤めているときから独立を考えていました。副業のブログやサイトのアフィリエイトが順調だったので、UターンしてWebマーケティング事業とWebで『古賀マガジン』を立ち上げました」
こうした仕事は好きな場所でできるのがメリット。松見さんも、一時期はマレーシアでノマドワーカーをしていて、パートナーの山田五香(やまだいつか)さん(34歳)と出会った。残念ながらコロナ禍で帰国せざるを得ず、2020年に山田さんと一緒に古賀市に。
帰国して本格的に始めたのが、法人向けYouTubeのマーケティング支援だ。当初は松見さんと山田さんの2人で手探りで始めたものの、あるとき工務店からの依頼で制作した動画がバズり、軌道に乗る。
現在、松見さんが立ち上げた㈱ネスピアは、古賀市のインキュベーション施設「快生館」に本店を置き、隣の福津市(ふくつし)にもオフィスを構える。松見さんと山田さんを含めたスタッフ6名で、10社ほどの顧客に対応している。
「やりたいことをやって生きていける若者が増えるといいな、個人の夢と組織のビジョンがともにかなう社会を実現したい、と考え会社を設立しました。夢を持って生き生きと働き、それが会社の利益につながる。社会全体がそうなるといいですが、まずは自分がステップアップしていきたい。そして古賀市から変えていければ」
好きな場所、好きな時間に、好きな仕事をする、それが会社での働き方だ。松見さんも、「週7日働いていますが、1日のなかでワークタイムとホリタイム(自由時間)をつくっています。仕事していて、気分転換したいときは場所を変えたり、どこかでリフレッシュしたり。ここは海も山も温泉もすぐ近くにありますから」
古賀駅西口のまちづくりにもかかわっている松見さんに、古賀市のよさを聞いた。「いい意味で変わっていない場所。白いキャンバスのようでやりたいことができる」とのこと。一方で、ずっとこもっていると刺激になるものが少なく、スキルが上がりにくくなると感じるという。
「定期的に博多へ行ったり、いろいろな人に会ったりしています。やっと海外に行けるようになったので、海外での1週間のビジネス合宿に参加します」
好きな仕事を好きな場所でする。松見さんのような働き方が増え、社会そのものが変わってきているのだろう。
松見さんにお聞きしました!
Q脱東京してよかったこと
生きがいが感じられることですね。東京は人口も多く市場規模も大きいため、個人がピースの1つとして埋もれがちです。また地方は、人と人との距離が近く、キーマンとなる人につながりやすいのもメリットだと思います。古賀市へUターンして、人や地域の絆がこんなにいいものだったのかと実感しています。
Q東京時代と比べて大きく変わったこと
僕の脱東京と起業が同時だったこともあるのですが、働き方が変わりました。起業したことで、どんな仕事をするのか、働く場所や時間も自分に決定権がある。自分でかじを取れるようになって、ストレスが軽減しました。
古賀市移住支援情報
博多まで鹿児島本線で約20分! アクセス良好。子がいちばんのまち!
交通手段が充実していて、通勤・通学、休日のおでかけもしやすく、住みやすい古賀市。地元の農産物や、お得な食品工場直売所、おしゃれな店など「食」に関する魅力が多くある。市では「チルドレンファースト」を掲げ、出産前から子どもの自立まで切れ目のない支援を推進。また市役所内に無料職業紹介所を設置し、就業支援も手厚い。移住支援金あり。
問い合わせ:古賀市経営戦略課 ☎︎092-942-1113
はじめようつづけようこが生活|古賀市オフィシャルページ (city.koga.fukuoka.jp)
文/水野昌美 写真/樋渡新一
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