掲載:2023年8月号
暑さに強く真夏から秋まで収穫
7月上旬蒔きでまだ間に合う
エジプトで王様の野菜の意味を持つモロヘイヤ。原産地はインドか中東アフリカとされています。日本への導入は比較的新しく1980年代。カロテンやカルシウム、ビタミンCを多く含み、ゆがくとヌメリの出る健康野菜として広がりました。暑さに強く、真夏に旺盛に育つ1年草で、秋には木のように茂ります。やわらかい若芽を摘み、わき芽を増やして次々に収穫してください。葉物の少ない盛夏から、秋の初霜まで長期間楽しめます。
1 土づくり
風通しがよければどこでも育つが
肥沃な畑でやわらかくおいしくなる
風通しさえよければ、畑を選ばずどこでも育ちます。とはいえ肥沃な畑ほど、やわらかくおいしくなるので、初めて野菜を育てる畑では、畝の準備をしておきましょう。葉にカルシウムを含むため、土づくりにはリン酸とともにカルシウムを補えるバットグアノを用いると、よく育ちます。
2 種蒔きと育苗
①種蒔きは最低気温15℃以上になってから
発芽適温、生育適温ともに高く、早蒔きすると育ちません。種蒔きは最低気温15℃以上で。発芽後の生育も夏までは緩慢で、真夏の高温で一気に大きくなります。このため種蒔きできる期間は後ろに長く、温暖地では7月上旬まで可能です。
②草負けしやすいためポットに種蒔きして育苗
種が小さく、畑に直蒔きすると草負けしやすいため、2.5号ポット(直径7.5cm)に種蒔きして苗を育てます。発芽後は暖かい場所に置き、土の表面が乾いたら、たっぷり水やりしてください。
3 定植
本葉4~5枚で植え付ける
本葉4~5枚に育ったら、畑に定植します。苗は小さいですが、後に大きく茂るので、株間は50cm、間にコンパニオンプランツを育てる場合は1mとってください。2列以上育てる場合、条間は1m開けます。
4 お世話
①高さ15cmまで育ったら、間引き収穫して1本立ちに
背丈が15cmになったら、2本のうち1本を収穫を兼ねて間引きます。残した1本の株元には、たっぷり草マルチしてください。
②収穫開始後は2週に1度
草マルチを重ねて米ぬかを補う
その後、収穫が始まってからは、2週間に1度ほどのペースでたっぷりと草マルチを重ねていきましょう。同時に、一握りの米ぬか、または米のとぎ汁を、草マルチの上から補います。
③7~10日間雨が降らないときや
30℃以上の高温期は夕方に水やり
乾燥し過ぎると葉や茎がかたくなります。7~10日間も雨が降らないときや、30℃以上の高温が続く真夏には、夕方にたっぷり水やりを。水やりにストチュウ水※を使うと葉がやわらかくなり、収穫量が増えます。
※雨水に似た野菜の栄養ドリンク。酢・木酢液・焼酎を1:1:1で混ぜたストチュウ原液をペットボトルにつくり置き、300倍以上に薄めて使う。7Lのジョウロの水には、ペットボトルキャップ(約7mL )3杯の原液を混ぜる。
5 収穫
①高さ30cm以上に育ったらやわらかい先端を摘芯収穫
収穫は生長する若芽を摘芯します。株の背丈が30cmを超えたら先端の8~10cmほどを摘んでください。
②伸びたわき芽も摘芯収穫を繰り返し
つぼみを付けさせずに長く穫る
その後に伸びてくるわき芽も、先端の12~15cmを摘芯収穫してください。さらに出てくるわき芽も同様に摘芯収穫。つぼみを付ける前に摘み取りを繰り返すことで、やわらかい若芽が長期間収穫できます。
監修/竹内孝功
たけうち・あつのり●1977年生まれ。長野県を拠点に菜園教室「自然菜園スクール」などを開催。著書に『自然菜園で育てる健康野菜ゼロから始める無農薬栽培』『完全版 自給自足の自然菜園12カ月 野菜・米・卵のある暮らしのつくり方』、最新刊・新装版『無農薬「自然菜園」で育てる人気野菜』(すべて宝島社)ほか多数。
WEBサイト「@自給自足Life」https://39zzlife.jimdofree.com/
文・写真/新田穂高 イラスト/関上絵美・晴香
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