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田舎暮らしの本 5月号

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田舎暮らしの本 5月号

3月3日(月)
890円(税込)

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僕の百姓メシ/自給自足を夢見て脱サラ農家37年(47)【千葉県八街市】

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 10月20日。「ごはんに味噌汁は貧しいという僕の勝手な思い込み」。南からの風がやや強く吹く朝である。気温も高いのであるが、空気が乾燥しているゆえ、とても心地よい。ニワトリの世話とランニングをすませ、屋上庭園で朝食。パン、ハム、季節の野菜、バナナ、そして珈琲。朝食の定番である。ごはんに味噌汁という朝食は子供時代を除き、食べたことがない。僕には勝手な思い込みがあるのだ。それは貧しい食生活であるとの。まあっ、そんな子供みたいなことを言っちゃって・・・きっと笑われるに違いない。ちっとも貧しくなんてありませんよ・・・味噌汁にはあれこれ具をたくさん入れればいいのだし。たしかに、あの土井善晴先生も言っている。食事はシンプルがいいです、一汁一菜で十分です・・・土井先生は僕が毎晩聴くラジオ深夜便に登場し、各地方の食材をどう料理するのがいちばん美味かなどを語っている。その軽妙な語り口をも含め、僕は土井先生のファンなのだが・・・。

 朝食はごはんに味噌汁・・・時代のせいでもあったろう。60年ないし70年前、どこの家でもそうだった。時には昨日の残りの味噌汁を熱くし、冷や飯にかけて食う、そういうことも珍しくなかった。その時代にそれが嫌だと思ったことはない。だが、自分でも知らぬ間に、心の奥にじわじわと拒否反応が芽生えてきていたようである。珈琲が好きという理由もきっとあるのだろう・・・。熱湯を注いで香り立つ珈琲。レンジでほどよく焼けるパンの匂い。それが僕にとっての朝であり、幸せな時でもあるのだ。コメを口にするのは昼食だけ、それも少量。夕食は夏ならビール、秋冬なら(パンを添えた安物の)ワイン、それにつまみ3品くらいを加えて終わりとする。コメ農家にはとても申し訳ないコメ食わず嫌いの男なのである。

 お百姓さんなのに面白いですねえ、コメを食べずにパンばかりだなんて・・・いつだったか来訪の女性にそう言われたことがある。コメだけでなく、僕は麺類もほとんど食べない。スパゲティ、うどん、ラーメン・・・これらを1年に一度も食べないということも珍しくはない。もしかしたら、うどん、ラーメンにも貧しい時代の記憶のトラウマみたいなものがあるか。東京に出てきてしばらくはラーメンを食べていた。当時50円。バイト先で出会った大学生たちとそれを昼食とした(だから1杯1000円するとかの現在のラーメンはアンビリーバブルだ)。今の僕は、どんなに忙しくともお湯を流し込むだけのラーメンでということはしない。大地震で、もし避難所に逃げ込むことになっても、カップラーメンですませるということはせず、そこらにある材木なんかで焚火をして、煮物をこしらえるかもしれない。

 珈琲とパン。それに季節の野菜とハムかベーコンを合わせた1品。これが僕を豊かな気分にさせる。よっし、今日も全力で働くぞという気持ちにさせる。我が幸福感のかなりの部分をパンが占めている。それゆえパンにはこだわる。上の写真の二枚目は九州の店から取り寄せた明太子フランスだ。なかなかいける。他にも、味はもとより、ちょっと洒落た装いのパンをアマゾンや楽天から取り寄せて朝の楽しみ、1日の活力と僕はする。面白いですねえ、変ですねえ、お百姓さんなのに・・・。

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この記事を書いた人

中村顕治

中村顕治

【なかむら・けんじ】1947年山口県祝島(いわいじま、上関町・かみのせきちょう)生まれ。医学雑誌編集者として出版社に勤務しながら、31歳で茨城県取手市(とりでし)に築50年の農家跡を購入して最初の田舎暮らしを始める。その7年後(1984年)の38歳のとき、現在地(千葉県八街市・やちまたし)に50a(50アール、5000㎡)の土地と新築同様の家屋を入手して移住。往復4時間という長距離通勤を1年半続けたのちに会社を退職して農家になる。現在は有機無農薬で栽培した野菜の宅配が主で、放し飼いしている鶏の卵も扱う。太陽光発電で電力の自給にも取り組む。

Website:https://ameblo.jp/inakagurasi31nen/

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