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田舎暮らしの本 1月号

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田舎暮らしの本 1月号

12月3日(火)
890円(税込)

© TAKARAJIMASHA,Inc. All Rights Reserved.

つるありインゲン・ ササゲは収穫するほど次々にサヤを付ける/竹内孝功さんに教わる自然菜園のスゴ技【第16回】

掲載:2023年7月号

繰り返し3度の種蒔きで
夏から秋まで長期収穫

中南米原産でヨーロッパ、中国を経て江戸時代に隠元(いんげん)禅師が日本に伝えたとされるインゲン。“三度豆”と呼ばれ、4〜5月に種蒔きし、花が咲いたら次の種を蒔くと、真夏を除いて秋まで連続収穫できます。つるなしの早生種に比べて、長くたくさん穫れるのはつるあり種。真夏も収穫するにはアフリカ原産で暑さと乾燥に強いササゲも植えます。また、インゲンはセンチュウを増やすため、被害のある畑では代わりにササゲを育てましょう。

※雨水に似た野菜の栄養ドリンク。酢・木酢液・焼酎を1:1:1で混ぜたストチュウ原液をペットボトルにつくり置き、300倍以上に薄めて使う。7Lのジョウロの水には、ペットボトルキャップ(約7mL )3杯の原液を混ぜる。

1 土づくり

水はけよく肥沃な土を用意
初めての菜園では畝を準備

 過湿を嫌うため、水はけのよい畝で育てます。微生物が棲みやすい土であればよく、養分を入れて肥やす必要はありません。初めて菜園にする畑では畝の準備をしてください。なお、センチュウ被害を避けるため連作は避けます。また、センチュウ被害が出やすいキュウリやニンジンなどを育てる際も土づくりに注意が必要です。

2 準備

混植で絡ませるか
210cmの支柱が必要

 つるありインゲンやササゲは、キュウリやゴーヤーとの混植なら同じネットに、トウモロコシとの混植なら生長したトウモロコシの茎にインゲンが絡むため、専用の支柱はいりません。単独で育てる場合は、2本を交差させる合掌型や、4本を交差させるティピー型の支柱を立てておき、その足元に種蒔きします。支柱には長さ210cm以上を選びましょう。つるはわき芽を出さずに1本の支柱に絡み付きながら伸びるため、ネットなどは必要ありません。

合掌型やティピー型の支柱は、地上1mで交差させると伸びたつるが混み合いにくい

3 直蒔きと間引き

①畝への直蒔きは最低気温15℃以上になってから

 畝への種蒔きは最低気温15℃以上、目安は小麦の出穂やフジの花の満開です。この時期なら育苗して定植するよりも、直蒔きのほうが根が深く張り、乾燥に強くしっかりと育ちます。株間50cm。1カ所3粒蒔きで互いに協力して根を張らせるのがコツです。

周囲の草を地際から刈り取った後、種の厚さの3倍ほどの深さに蒔き穴をつける

1カ所に3粒ずつまとめて種を蒔く

蒔き穴を閉じるように周囲の土を鎮圧。手のひらでしっかりと押さえて発芽を促す

鳥に見つからないよう、軽く草マルチする。鳥のいる畑では日没後に種蒔きすると見つかりにくい

②本葉2~3枚で間引いて2本立ちに

 初生葉が展開した後、本葉が出始めるころに、間引いて2本立ちにしてください。互いに絡み付きながらよく育ちます。

よく育ったものを2本残し、ハサミを使って間引く

4 お世話

開花時期に雨がなければ
ストチュウ水で水やり

 開花後1週間雨がなければ夕方にストチュウ水でたっぷり水やりしてください。また、周囲の草を刈って株元に敷く草マルチを重ねて乾燥を防ぎましょう。支柱につるを自分で絡ませるために必要なお世話は水やりと草マルチだけです。

5 収穫

①若サヤは中身がゼリー状で
収穫するほどサヤが付く

 若サヤの収穫は中身がマメになる前のゼリー状のうちに。やわらかくおいしいうえ、遅れずにどんどん穫ると、次々にサヤを付けます。収穫はインゲンにとってのいちばんのお世話になります。

中身のマメとして固まる前のゼリー状のうちに穫る

つるを傷つけないよう、はさみを使って穫るとよい

②完熟マメはサヤが枯れたら晴れた日に穫る

 完熟マメはサヤが枯れてから穫ります。一斉に熟さないため、枯れたサヤから順次収穫してください。カビやすいため、枯れたサヤは晴れて乾燥した日を選び早めに穫るのがコツです。収穫後は風通しのよいところに1週間ほど置いてしっかりと乾燥させてください。

枯れたサヤから順次収穫する

 

監修/竹内孝功

たけうち・あつのり1977年生まれ。長野県を拠点に菜園教室「自然菜園スクール」などを開催。著書に『自然菜園で育てる健康野菜ゼロから始める無農薬栽培』『完全版 自給自足の自然菜園12カ月 野菜・米・卵のある暮らしのつくり方』、最新刊・新装版『無農薬「自然菜園」で育てる人気野菜』(すべて宝島社)ほか多数。

WEBサイト「@自給自足Life」https://39zzlife.jimdofree.com/

 

文・写真/新田穂高 イラスト/関上絵美・晴香

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