10月29日。「3か月ぶりに食べた卵の味」。光のない朝。かすかな雨が落ちてくる。気温は18度くらいか。だから久しぶりに肌寒い。昨日間引いてバケツの水につけておいた大根の葉を茹でる。そこに卵を落として朝食とする。卵を口にするのは7月以来だ。あの猛暑でもってチャボたちの産卵がストップした。さらに不運なことに、よく産んでくれているチャボが相次いで3羽、ハヤブサに襲われて死んだ。日々準備できる卵は数個だけだった。それをお客さんに送り、自分の口には全く入らないまま10月になった。そして今、4月4日に岐阜の後藤孵卵場から仕入れたヒヨコがやっと産卵月齢に達したのだ。まだ十分な数ではない。だから本当は2個食べたいが・・・1個だけ。
ついでに写真のパンを説明しておこう。アマゾン経由で取り寄せるBASE BREAD。ふだん健康飲料と称されるようなものは口にしない。しかし、パン好きの僕は、ビタミン、ミネラル、蛋白質など、33種類の栄養素が含まれていると謳うこのパンを愛用する。それにチーズを塗り、バナナを2本。昼までの労働に必要なカロリー、それはこれでまかなえる。
荷造りを終えたらもう薄暗くなる。たぶん錯覚ではあろうが、今年は日没が例年よりも早いという気がする・・・きっと、あのギラギラと、すべてを焼き尽くすかのような強烈な夏の太陽がまだ記憶に残っているからであろう。そんな薄暗い中で昨日に続きソラマメをまく。タネの数で100くらい。うんと目を近づけて、45センチの間隔を間違えないようにする。次の写真の下は、そのソラマメ作業に取り掛かろうとした4時50分の西の空だ。日の暮れの速さはこの夕焼けにも言える。美しいと思える時間は長くない。デジカメをどこに置いたかわからず、もたもたしている1分か2分のうちにせっかくのシャッターチャンスを逸してしまうことさえある。そして・・・思うのだ。人間、すこやかに生きるためにはこんな夕焼けを黙って眺める日常でありたい。それから大きく深呼吸もしたい・・・僕が仕事アガリにストレッチをやり、腹筋をやるという話は前から書いている。腹筋は100回やるのだが、やり終えたら、腹筋台で逆さまの姿勢のまま背筋を伸ばし、大きく両腕を広げ、深呼吸する。鼻から吸い、口から吐く。それを20回。見上げる空にはたいてい月が輝く。ジイチャンの予定がぜんぶすんだらオイラのメシだ、そうとわかっている猫のブチが、毎夕、腹筋台の下でゴロゴロしながら待っている。終わったぞ、さあメシだ!! ブチは台所の裏扉に向かって一目散で走る。
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この記事を書いた人
中村顕治
【なかむら・けんじ】1947年山口県祝島(いわいじま、上関町・かみのせきちょう)生まれ。医学雑誌編集者として出版社に勤務しながら、31歳で茨城県取手市(とりでし)に築50年の農家跡を購入して最初の田舎暮らしを始める。その7年後(1984年)の38歳のとき、現在地(千葉県八街市・やちまたし)に50a(50アール、5000㎡)の土地と新築同様の家屋を入手して移住。往復4時間という長距離通勤を1年半続けたのちに会社を退職して農家になる。現在は有機無農薬で栽培した野菜の宅配が主で、放し飼いしている鶏の卵も扱う。太陽光発電で電力の自給にも取り組む。
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