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田舎暮らしの本 5月号

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田舎暮らしの本 5月号

3月3日(月)
890円(税込)

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日々是好日/自給自足を夢見て脱サラ農家37年(51)【千葉県八街市】

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 2月25日「たいていの事はやれるのさ・・・この思いが日々是好日の土台であるかも」。

 昨日は好日。今日は一転して悪日。しかし働く意欲は落ちない。降り続く雨の中でサトイモを植える作業。雨ゆえに荷造りはいつもの場所でなく玄関だ。その玄関にはチャボが卵を温めている箱2つがあるだけでなく、サトイモの親が詰まった袋が7つもある。それを片付ければ荷造りがラクになる。雨中の仕事はそれゆえである。それを終えてからビニールハウスに向かう。この下の下の写真。三角帽子の中にはようやく双葉を広げたカボチャがある。タネをまいたのは半月前。その直後から気温が下がり、日照も短くなった。何とかして地温が下がらないようにしてやろう。米ぬかと鶏糞を混ぜたものは発酵したら熱を帯びる。それを三角帽子の周囲に積み上げてやった。今日行ってみると効果があったようだ。ただし、小さな草が生え、ちょっと浮き上がっているな。三角帽子をどけて土寄せしてやった。

 そして午後1時、今日もしびれる手で野菜を水洗いし、福岡行きの荷物を仕上げた。時刻は4時。さて懸案の大仕事にかかるか。台所の流しが詰まったのは半月前。これまで何度か試みたが改善の気配はない。今日は完了するまでしつこくやるぞ・・・・まずは、台所から外部の下水本管に通じている管をスコップで掘り当てる。しかし太くて頑丈、とても取り外せるようなものじゃない。作戦変更。やはり台所側から何かを差し込み、ゴシゴシやるしかないようだ。水道のホースを入れてみた。長さ1.5メートルの位置で行き止まる。太すぎるのだな、柔軟性もないしな。次に竹を細く割ったものを試すが、管の途中にあるカーブを曲がり切れないようだ。しばし考えた。細くてしなやか、かつ中心は強固、そういうものはどこかにないか。雨の中、庭を探し回った。ようやく見つけたのはテレビのアンテナケーブル。ただしお役目中だ。何年も昔、キウイの棚が強風で傾いた。それを矯正するのにケーブルは使われていた。ごめんよ、明日にでも別なロープで縛ってやるから・・・そう断ってから取り外した。長さ6メートル。

 僕のカンは当たっていた。テレビのケーブルは2.5メートルの距離までどうにか入って行った。ただし、太さが不足らしい。ゴシゴシやっても詰まりは解消されない。ならば2本だ。おっ手ごたえがあるぞ。ただし、2本を掴んで押し込むだけでは、ゴシゴシすると途中が曲がる、たわむ。それで今度は2本をガムテープで密着させた。さあどうだ、祈るような気持ちで押したり引いたりのゴシゴシ作業を根気よく続けた。最後に確認のために薬缶の水を流し込んだ。薬缶での流し込みはすでに何度かやって、あえなく逆流し、床を水浸しにしていた。でも今回は、爽やかな水流の音がした、逆流はしなかった。やったぜ!!  感動の瞬間であった。

 家の水回りは傷むものである。築42年の我が家はどこも傷んでいるが、とりわけ水回りはひどい。それで、もう10年以上前になるか、腐った床板の上から頑丈な板を打ち付けた。壁も同じようにした。かかったカネも時間もかなりのリフォーム工事だった。今日は、あふれ出た水で冷蔵庫の下まで泥水で覆われた。それを、もう着られなくなったシャツを何枚も使ってふき取った。そして考えた。普通なら下水道屋さんに頼むのかな。便利屋さんに来てもらうのかな・・・でも僕にはそんなカネはない。同時に面倒くせえと思う気持ちもない。やれるさ、なんとか、たいていのことは・・・その気持ちで万事に挑む。確かにどうにもならないことはあるにはある。しかし途中であきらめなければ10中8、9のことは成功する。所要1時間50分。I  have done  it!!  何事でも、納得いくまでやり終えたという気分はいいものである。熱い風呂の湯がいつにも増して心地よかった。晩酌の味もワンランク上だった。天気は悪日。しかし今日の我が精神は好日。

この記事を書いた人

中村顕治

中村顕治

【なかむら・けんじ】1947年山口県祝島(いわいじま、上関町・かみのせきちょう)生まれ。医学雑誌編集者として出版社に勤務しながら、31歳で茨城県取手市(とりでし)に築50年の農家跡を購入して最初の田舎暮らしを始める。その7年後(1984年)の38歳のとき、現在地(千葉県八街市・やちまたし)に50a(50アール、5000㎡)の土地と新築同様の家屋を入手して移住。往復4時間という長距離通勤を1年半続けたのちに会社を退職して農家になる。現在は有機無農薬で栽培した野菜の宅配が主で、放し飼いしている鶏の卵も扱う。太陽光発電で電力の自給にも取り組む。

Website:https://ameblo.jp/inakagurasi31nen/

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