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田舎暮らしの本 12月号

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田舎暮らしの本 12月号

11月1日(金)
890円(税込)

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男というもの/自給自足を夢見て脱サラ農家37年(24)【千葉県八街市】

6月中旬の野菜だより

 6月23日。いよいよ湿度高く、これぞ梅雨だといった今日は空模様である。しかし、次の日曜日は晴れて、気温34度との予報が出ている。さて、本論でだいぶスペースを取ったので、今回の野菜だよりは目下の畑はどんな様子かだけを簡略に伝えることにする。まずピーナツ。もう花を咲かせたものもある。月に2回くらい、草取りを兼ねて土をほぐして寄せてやるのがポイント。

 5か所に分けて作ったタマネギ、その最後のぶんを収穫した。高値野菜の代表として話題になったタマネギだが、最新の市場価格はどうなんだろうか。

 仕事の合間、喉を潤すためにラズベリー畑に向かう。いくらかトゲはあるが、ブラックベリーに比べれば優しいトゲ。皆さんにもおすすめのベリーだ。地下茎でどんどん増える。混雑すると枝に腐りが出るので間隔を広く取る。冬には強めの剪定をする。

 メロンの畑に行って見る。苗を植えた当初はショボクレていたのに、今月初めから旺盛に生育、久しぶりに様子を見に行ったらかなりの数の実がなっていた。

 こちらはミョウガである。すでにスーパーには出ているが、うちでは来月が旬。ミョウガ栽培のポイントは思い切って土をかぶせてやること。土が浅いと痩せたミョウガになり、かなりの重労働だが、30センチくらいの土盛りをしてやるとよく太ったミョウガになる。

 アンズの収穫時期になった。アンズの良いところは、中の種(核)から身離れがよくて食べやすいこと。物足りないところは他の果物に比べて甘さが足りないこと。仕事中に口にする生食とは別に、このアンズを僕はハチミツで煮ておやつとする。

 次の写真はイチジクだ。何本も植えてあるのだが、イチジクには繊細なところもあり、枝枯れすることも多い。また風や光が通らないとカビが生える。ということで、僕はせっせと葉をちぎる。葉の付け根から出る白い乳液で手をべたべたにしながら。

 今年は総じて果樹の具合は良くない。期待していたプラムなんか全滅に近い。ジューンベリーもクワも良くなかった。しかしキウイは平年通りだ。むしろ、数がなりすぎて僕は摘果に苦労した。実の数だけでなく、キウイというやつは切っても切ってもすぐに新しい枝を伸ばす。そのままでは内部が暗くなるので実を減らすとともに頻繁に枝払いをする。

 サツマイモは順調にツルを伸ばしてきた。もはやハウスにもトンネルにも使えないビニール。あちこち切れたり、穴が開いたりしているものをなんとかやりくりし、マルチとしてサツマイモの苗を植えた。先日、土の盛りを高くしてやるため裾の部分から手を入れた。土の温度はふだん僕が入る風呂くらいに熱かった。ビニール1枚あるかないかでこれほど違うのか・・・マルチの有用性を再認識した。

 最後に葉物野菜のこと。ホウレンソウ、小松菜などは基本的に高温、多湿の時期の栽培には適しない。しかし方法がある。次の写真は小松菜の例だが、秋冬の収穫サイズが30センチだとすると、今の時期はその三分の一、10センチ足らずで食べることだ。このサイズだと味も柔らかさも申し分ない。夏場の葉物は貴重だから、アナタもトライしてみるとよい。さて、梅雨明けはいつか、今年の夏はどうなるか。豪雨とならず、大きな台風も来ないことを僕は祈る。皆さんの家庭菜園にも幸あれ。

 

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中村顕治(なかむら・けんじ)

1947年山口県祝島(いわいじま、上関町・かみのせきちょう)生まれ。医学雑誌編集者として出版社に勤務しながら、31歳で茨城県取手市(とりでし)に築50年の農家跡を購入して最初の田舎暮らしを始める。その7年後(1984年)の38歳のとき、現在地(千葉県八街市・やちまたし)に50a(50アール、5000㎡)の土地と新築同様の家屋を入手して移住。往復4時間という長距離通勤を1年半続けたのちに会社を退職して農家になる。現在は有機無農薬で栽培した野菜の宅配が主で、放し飼いしている鶏の卵も扱う。太陽光発電で電力の自給にも取り組む。

https://ameblo.jp/inakagurasi31nen/

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