大量の雨が何日も降り、最も喜んでいるのはこのサトイモであろう。雨が降らないとサトイモはほとんど成長しない。だから、当地では大型のスプリンクラーを回し続けて潅水するのがよく見られる風景である。半月前までは幼稚園児くらいのサイズだったのに、今はごらんの通り中学生ほどに育った。
生姜も水を欲しがる。生姜は最初、1本の大きな茎葉を伸ばす。それに続き、親の茎のそばに小さな茎が顔を出す。夏に葉生姜として店に出るのはそれである。僕の生姜も来月になると収穫できる。
ハウスに植えたゴーヤは6月までは順調だったのに、6月初め、3日にわたって吹き続けた強風で支柱ごと傾いてしまった。複雑に絡み合ったそれを元に戻すのは、トライしたが不可能だった。それでもなんとか立ち上がり、だいぶ実をつけている。
梅雨明けが例年通りであったなら、ブロッコリーは順調に育ったであろう。しかしあの猛暑で疲労困憊していた。なんとか実をつける株もあったけれど、小さい実で潤いもない。それが今回の雨でどうにか復活した。そのブロッコリー、秋から冬にかけて収穫するぶんを、そろそろ種まきして準備にとりかかる頃である。
最後にお見せするのはつるなしインゲン。春以来、これは三回目の種まきをしたもの。インゲンは他のマメ科に比べて水と肥料を欲しがる。だから鶏糞堆肥を施し、僕は猛暑の間、毎夕水やりに励んだ。8月終わりまで、あと2回か3回、種をまいて11月になるまで収穫を確保しようと思っている。
この先の天気はどうなるだろうか。猛暑が復活するか。大きな台風が襲ってくるか。百姓にとっては気がかりな空模様。柿も栗もポポーもキウイも、いまのところ順調に生育し、秋の収穫を楽しみに、僕は今日も畑で奮闘している。
【関連記事】
(1)百姓と体力
https://inakagurashiweb.com/archives/6637/
(2)僕は十種競技
https://inakagurashiweb.com/archives/7411/
(3)無理をする技術
https://inakagurashiweb.com/archives/7414/
(4)夏草とミミズと焚き火
https://inakagurashiweb.com/archives/7435/
(5)あの角を曲がって
https://inakagurashiweb.com/archives/7451/
(6)理科のダメな男が電気の完全自給に挑む話
https://inakagurashiweb.com/archives/8301/
(7)ボロ家に暮らす男が積水ハウスのCMに胸をときめかす話
https://inakagurashiweb.com/archives/8877/
(8)猫もいい。犬もいい。鶏がいればもっといい
https://inakagurashiweb.com/archives/9271/
(9)人にはどれほどの金がいるか
https://inakagurashiweb.com/archives/9927/
(10)人間にとって成熟とは何か~メンタルの健康についても考えながら~
https://inakagurashiweb.com/archives/10432/
(11)心をフラットに保って生きる心地よさ~メンタルを健康に保つためのルーティン~
https://inakagurashiweb.com/archives/10864/
(12)周囲の生き物たちと仲良く暮らすこと
https://inakagurashiweb.com/archives/11356/
(13)僕の家族のこと
https://inakagurashiweb.com/archives/11953/
(14)独り身の食生活と女性たち
https://inakagurashiweb.com/archives/12410/
(15)家庭菜園と人生における幸福論
https://inakagurashiweb.com/archives/12775/
(16)人生の惑いをゴミ箱にポイするTips集
https://inakagurashiweb.com/archives/13260/
(17)「生活」と「人生」
https://inakagurashiweb.com/archives/14008/
(18)「生活」と「人生」(2)
https://inakagurashiweb.com/archives/14536/
(19)定年後の田舎暮らしは難しいか
https://inakagurashiweb.com/archives/14954/
(20)少子高齢化の未来
https://inakagurashiweb.com/archives/15319/
(21)田舎の人付き合いは大変か
https://inakagurashiweb.com/archives/15685/
(22)畑から見る東京
https://inakagurashiweb.com/archives/15987/
(23)コロナ禍が意味するもの
https://inakagurashiweb.com/archives/16546/
(24)男というもの
https://inakagurashiweb.com/archives/17139/
中村顕治(なかむら・けんじ)
1947年山口県祝島(いわいじま、上関町・かみのせきちょう)生まれ。医学雑誌編集者として出版社に勤務しながら、31歳で茨城県取手市(とりでし)に築50年の農家跡を購入して最初の田舎暮らしを始める。その7年後(1984年)の38歳のとき、現在地(千葉県八街市・やちまたし)に50a(50アール、5000㎡)の土地と新築同様の家屋を入手して移住。往復4時間という長距離通勤を1年半続けたのちに会社を退職して農家になる。現在は有機無農薬で栽培した野菜の宅配が主で、放し飼いしている鶏の卵も扱う。太陽光発電で電力の自給にも取り組む。
https://ameblo.jp/inakagurasi31nen/
この記事のタグ
田舎暮らしの記事をシェアする