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田舎暮らしの本 5月号

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田舎暮らしの本 5月号

3月3日(月)
890円(税込)

© TAKARAJIMASHA,Inc. All Rights Reserved.

君たちはどう生きるか/自給自足を夢見て脱サラ農家37年(48)【千葉県八街市】

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 11月27日「病気の9割は歩くだけで治る!」。昨日とは打って変わり、100点満点の空模様である。ニワトリも猫も気持ちよさそう。もちろん僕も気持ちいいぞ。ランニングにも気持ちよく行けるぞ。走り始めて50年余。結婚して、湖北台団地というところに住んで、その背後にある手賀沼を目指して走ったのが最初だった。以後、走った距離は30万キロをはるかに超える。さすがにこのトシになると昔のスピードなんて無理だが、雨でも風でもやめないところが自分でもエライと思う。ちょうど今日、厚生労働省の専門家検討会が、週2回から3回の筋トレ、1日60分の歩行などを勧めているというニュースがあった。身体活動や運動量が少ない人は、循環器病、癌、ウツ病、認知症などのリスクが高くなる。それらを予防するために体を動かす必要があるということなのだ。また自分の経験から言えるが、筋肉は熱を貯めることが出来る。筋肉を増やすと寒さに強い体になる。冷え性の人は筋肉不足から来ている、僕はそう思う。

 身体活動は病気予防のみならず、いったん罹った病気の快復にも効果を発揮する。たとえば乳癌は、その診断確定から術後まで運動がその後の経過をよくするというデータがあるらしい。ただ、患者と接する医師がその情報を提供する割合は2割にすぎないという。日本では病院で運動するというのは稀だが、アメリカでは患者がジムで積極的に体を動かす。米国スポーツ医学会は、癌経験者に有酸素運動30分間を週3回以上、筋トレは週2回以上を勧めているという。なぜ走ったり重いものを持ったりするのが体に良いのだろうか。生き物すべてがそうするようにと全身が初めからプログラミングされているからだと僕は思う。蛙は飛び、鳥は空を舞い、魚は水圧をはねのけて泳ぎ、肉食動物は獲物の確保のために全力疾走する。狙われた動物も食われまいと全力疾走する。われら人間も基本はそれらと同じはずである。エアコンをはじめとして便利な道具が増える時代。暑さ寒さからの(良い意味でのストレス)が減じる一方、ますます体を動かさなくなる。それでいて美味しい食べ物への欲求だけは高まる。シミ、シワを消し去りたい、痩せたいという欲求も高まる。僕のうろ覚えだが、糖尿病のクスリを痩せるために使う人が多いと何かで読んだ気がするのだが、全くもってナンセンスである。

 3日前の朝日新聞1面で、長尾和宏著『病気の9割は歩くだけで治る!』(山と渓谷社)という広告を目にした。「歩行が人生を変える29の理由。生活習慣病、うつ病、認知症、不眠症・・・現代病の大半は歩かないことが原因だった」という言葉が広告には添えられていた。先ほど書いたように、ランニング歴が50年、自転車歴は60年。77歳にそろそろなる今も腕と腰と脚だけでの畑仕事を連日7時間やり、1日の仕上げにストレッチと腹筋を欠かさない僕が、便利生活に溺れ、体を動かす生活をおろそかにしている、もしかしたらひどい冷え性かもしれないアナタに向かってそっと言う。君たちはどう生きるべきなのか・・・寺山修司は「書を捨てて街に出よう」と言った、それを真似ての僕の言葉は「スマホを捨てて野に出よう」である。田舎暮らしにスマホはほとんど不要である。家電で十分。かつ、田舎暮らしというのは否応なく筋肉を鍛えてくれるものだ。もしかしたら、癌にもウツ病にも認知症にもならず健やかに生きさせてくれる、その有効な手段こそが田舎暮らしかもしれない。

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この記事を書いた人

中村顕治

中村顕治

【なかむら・けんじ】1947年山口県祝島(いわいじま、上関町・かみのせきちょう)生まれ。医学雑誌編集者として出版社に勤務しながら、31歳で茨城県取手市(とりでし)に築50年の農家跡を購入して最初の田舎暮らしを始める。その7年後(1984年)の38歳のとき、現在地(千葉県八街市・やちまたし)に50a(50アール、5000㎡)の土地と新築同様の家屋を入手して移住。往復4時間という長距離通勤を1年半続けたのちに会社を退職して農家になる。現在は有機無農薬で栽培した野菜の宅配が主で、放し飼いしている鶏の卵も扱う。太陽光発電で電力の自給にも取り組む。

Website:https://ameblo.jp/inakagurasi31nen/

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